整体の種類とその効果
近年、数多くの整体院や整骨院ができ、多くの治療方法の名前を目にすることが増えてきたと思います。
それに伴い「いったい自分には、どんな施術が合っていて良いのだろうか?」という疑問が生まれると思います。
実際、ご来院して頂く患者さんからも良く聞きます。
なので今回は、
・整体の種類とその効果
・整体を受けに行くときの注意点
この2つのことについてお伝えしていきたいと思います。
種類と効果
数多くある施術の方法とその効果について簡単にご紹介していきます。
筋肉をほぐす
硬くなっている筋肉をグ〜っと押したり、少しゴリゴリし筋肉を刺激することで筋肉を柔らかくする方法です。
一番一般的な整体の方法ですが、整体院さんによってはこれを「筋肉調整」「筋膜調整」「基本施術」など言い方を工夫している整体院さんもあります。
痛みの部位と原因は異なりますが、痛みの原因を見つけ原因である筋肉を緩めるために行う方法で、施術の基本になります。
筋膜リリース
最近テレビやメディアなどでもよく紹介されている方法です。
筋肉は全て「筋膜」(きんまく)という膜に包まれており、頭の上から足のつま先まで全てに存在します。
その膜が周りにある皮膚や他の筋肉にくっついて癒着(ゆちゃく)という現象が起きていることが考えられ、そこを剝がす(リリースともいう)ように刺激することで筋肉の動きを制限していた癒着が剥がれることで制限されていたものが解放され、筋肉の動きや硬さが改善され痛みの軽減に繋がります。
実は、筋肉を刺激する方法は「ほぐし」と極端に何かが変わるわけではないのですが、大きな違いは考え方です。
単なる「ほぐし」はリラクゼーションのように全身を少しゆっくり順番に刺激していきますが、
筋膜リリースは単純にほぐすのではなく、筋膜の繋がりを考えて「どこが原因で硬くなっているのか?」を筋膜の繋がりの中から見つけて、そこを施術することで痛みの改善を目指しています。
なので、腰に痛みがあっても腰の筋肉の硬さが筋膜の繋がりで、足からきているとわかれば、足の筋膜リリースを行い腰の痛みの改善を狙っていきます。
カイロプラクティック
カイロプラクティックという言葉を聞くと「温かそう」なイメージを持たれる方が多くおられますが実際にはそうではありません。
分かりやすく端的に説明すると”ボキボキ”と音が出る整体です。
歪んでしまった関節を元の位置に戻す時にボキボキッと音が出ます。
歪んでしまった関節を正しい位置に戻すことで、筋肉の状態も良くして、正しく関節や体を動かせるようにしていくといった考え方の治療法になります。
上記に記載している治療法との違いは、カナダ出身のアメリカ人であるダニエル・デビッド・パーマーにより創始された海外発祥の治療法になります。
また、ほぐしや筋膜を調整したりする治療法の考え方としては、筋肉が固くなってしまい筋肉が付着している骨が引っ張られ歪みが起き不調が出現してしまっているという考え方になりますが、カイロプラクティックは骨の位置がズレることにより付着している筋肉が引っ張られ不調が起きているとい考え方になります。
筋肉由来の考え方なのか骨由来の考え方なのかが違いになります。
また、関節の近くには太い血管もあるので関節の状態を良くすることで血液の循環の改善にも繋がると考えられています。
アメリカにはカイロドクターというこの整体の方法を使う専門のお医者さんが存在したりします。
日本にもカイロプラクティックは存在しますが筋肉を調整するような施術方法よりは数は少ない傾向にあります。
オステオパシー
内臓調整という言い方もあります。
内臓もすべて筋肉でできているので、体を動かす筋肉(骨格筋)と同じように少しずつ疲労が溜まってきます。
そうなると内臓も硬くなってしまい、周りにある骨格筋の動きに影響を与えてしまいます。
このオステオパシーという整体は、疲労が溜まっている臓器に対して優しく刺激を入れて硬さを取り骨格筋の動きを改善したり、疲労が溜まっている内臓の働きそのものを改善したりします。
オステオパシーはアメリカのミズーリ州で考えられた治療方法になります。
MMT(マニュアルマッスルテスト)
MMTは、マニュアルマッスルテストといい検査方法になりますが、この検査方法を施術にも応用し治療していくことができます。
6段階の評価で、正しく筋肉に負荷をかけることでその筋肉が正常に働いているかどうかを評価し、働いていなければその筋肉に対して簡単な運動や刺激を入れて、その筋肉を正常に使えるようにします。
今まで使えていなかった筋肉が正常に使えるようになることで、体の可動域が大きく改善したり、それに伴って痛みの改善にも繋がります。
操体法(そうたいほう)
仙台におられた橋本 敬三(はしもと けいぞう)先生というお医者さんが西洋医学だけではなく東洋医学の研究なども行い、1936年に操体法が考案されました。
考え方はすごくシンプルで「心地の良い方向に動く」これだけのシンプルな考え方なのですが、痛みの出る動きの反対の動きをすることで体のバランスを整えていく整体になります。
少し具体的に言うと、体を前に屈めたときに痛みが出るときは、体を後ろに反らす運動をして前に屈んだ時の痛みを改善していきます。
あまり聞かない名前かと思いますが、マッサージを受けるのが苦手な人や症状の戻りが強い人には非常に有効な治療法になります。
整体を受けに行くときの注意点
整体院で施術を受けると血液の循環が良くなります。
それに伴い注意点としては、
・施術前にお酒は飲まない
・心臓や血液、血管の疾患を抱えている場合は必ずそれを伝える
・血液循環に関わる薬を服用していれば薬の効果を伝える
上記の3つはご自身のお体を守るために必ず必要なことなのでご協力をお願い致します。
あとは自覚症状として痺れがあるときは、まずは整形外科にて先にレントゲンやMRIなどの細かな検査を受けることをお勧めします。
痺れの原因が筋肉にあるとわかっていれば整形外科さんに行く必要はないのですが、もし椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症のように骨に原因があると疑われる場合、整体院ではどこまで施術をしたらいいのかの判断が非常に難しい為です。
必要な検査を事前に行い、その情報をこれから受診される整体院へ持参することでスムーズな治療計画へと進んでいくと思います。